Micro Endodontics
日本の歯科治療の中で近年むし歯の数は年ごとに減ってきています。しかし根管治療においては、日本は欧米先進国の中で際立って再治療が多いといわれる国です。根管治療の技術革進は大きく進化しています。
いくら丁寧に長い時間かけた根管治療をしても使う器材器具が古く、旧来の考え方ですと、再治療が多いという現実は変わりません。時代に遅れることなく最先端の根管治療に更新していく必要があります。当院での精度のよい被せ物をするときの精密根管治療をご紹介します。
精密根管治療(世界基準レベル)では1回の治療時間を長めにとり(最低60分以上)、治療回数は症例によりますが、2から3回で終了します。根の病気が治らないときは、外科的歯内療法という処置をおこないます。
従来の一般的根管治療は1回の治療時間が30分前後、短いと15分ということもあります。治療回数が多く、長いときは数か月ほど行うこともあります。治療回数が多いほど感染率が高くなります。
精密根管治療(世界基準レベル)はマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いる事により歯の内部構造や感染源を直接見ながら治療ができるようになり、成功率が大幅にアップします。従来の一般的な根管治療は見えない歯の中をレントゲンを参考に、勘に頼りながら行う手探り治療です。
根管治療を成功させるのに最も重要なことは、唾液からの細菌の感染を防ぐためのラバーダムの装着です。ラバーダムとは、治療を行うときに歯に装着するゴムのことです。口全体を覆って治療する歯だけを出すので、細菌がお口の中に入るのを最大限防ぐことができます。日本では一般的な根管治療ではラバーダムを使用しません。
今まで見えなかった病巣や、解らなかった歯の形が鮮明に浮かび上がってきます。顕微鏡との併用により、根管治療の成功率アップに、特に再治療時の診断に大きな貢献をいたします。
CTで得た情報を元に、マイクロスコープを使って実際に精密な治療を実現していきます。
根管治療では、虫歯に侵された神経を除去するために「ファイル」と呼ばれる器具を使用します。一般的な根管治療はステンレスファイルを手動でおこいます。ステンレスファイルは固すぎるため根管を痛め直線化してしまいます。精密根管治療では十分な柔軟性を持ち、より神経を除去できるニッケルチタンファイルとアダプティブモーションを備えているエレメントモーターを使用し、しっかりと汚れをとりパワーを備え、ある一定以上の負荷がかかると一時停止・逆回転して、組織の削りすぎを防ぎます。
ニッケルチタンファイル
アダプティブモーションで、ファイルの食い込みと根尖への切削紛溢出を軽減します。