みなさん、こんにちは宇都宮市で歯科医院を開業している江俣です。
当院を受診される患者さんは歯周病が進行した方が多くいらっしゃいます。
私が歯科医師になった当時は、重度の歯周病患者といえば、プラークがべったりと付き、多量の歯石沈着が認められ、いかにも悪そうな病態を示し、原因は明らかに細菌性であることが分かりました。それに比べると最近の歯周病患者さんは、プラークの付着も少なく歯石の沈着もあまり認められない一見きれいな口腔内を有しているように思われます。しかし専門的歯周検査してみると進行した歯周病であることが分かることも多いのです。病因因子が口腔清掃不良や食生活などから咬合性外傷を伴うブラキシズム(歯ぎしり)、などが原因に変化しているように思われます。
歯並びや咬み合わせが悪いことが原因で、歯ぎしりが引き起こされることはありません。原因はストレス 、睡眠、 遺伝、 飲酒、 喫煙、 特定疾患(睡眠時無呼吸症候群など)などです。
よって通常の歯周病治療や歯の治療を行っても治らないのです。
歯ぎしりの対応策として
・日中のかみしめに気づいてもらい、それを意識的にやめてもらう。
・就寝時は質の高い睡眠への改善、自己暗示療法(リラックスすることを意識してもらう)
そのため、診断、治療にあたっては、歯や口腔内には関係ない、患者さんの生活習慣や悪習癖が関与するためとても難しいのです。
では典型的なプラークが原因の症例です。
プラークがべったりと付き、多量の歯石沈着が認められ歯肉は発赤、腫脹して、全顎的にいかにも悪そうな歯周病の患者さん。
治療後です。
歯周基本治療、外科治療、インプラント治療を行いました。
咬合性外傷が原因の歯周病の患者さん。
プラークの付着も少なく歯石の沈着もあまり認められない一見きれいな口腔内を有しているように思われます。
レントゲンではかなり骨の破壊が進行しています。(赤丸の部位)
歯ぎしりによる咬合性外傷が原因です。歯ぎしりを患者さんに気づいてもらい、自己暗示療法をしてもらいました。