皆さん、こんにちは宇都宮市で歯科医院を開業している江俣です。
当院は県内から歯周病で悩んで来院される方が多いです。そのため治療の期間が要する場合が多く、また患者様一人一人オーダーメイドの治療の為一回の治療時間も長くかかります。そのため現在アポイントが大変取りにくい状態となっておりますことを、お詫び申し上げます。
では今回は重度歯周炎のお話です。
重度歯周炎では歯周病治療のみの単独アプローチでは、なかなか治癒しないことがあります。歯は色々な方向へと病的に移動してしまいます、そのような場合 ①歯周病治療②矯正治療 ③ 補綴治療:(被せもの)のコンビネーションの治療を行っていく必要が出てきます。当院ではこの3つの専門的治療を歯周病専門医である院長がおこないます。
専門性の高い治療は一人の患者さんの治療を数人の各分野の専門医がおこなうことが多いですが、ひとりの歯科医師がすべての治療をおこなうほうが患者さんにとって有益と考えてます。
43歳 女性の方です。
主訴 歯が動いて咬めない。どうしていいかわからい。
先天的な歯列不正と歯周病で病的に歯が動いてしまった切実なケースです。
初診時 他の医院ではすべて抜歯で総義歯といわれたそうです。
レントゲン所見ではかなり歯を支えている骨がありません。
歯周基本治療終了、歯周病認定衛生士が質の高いプラークコントロール、スケーリングルートプレーニングを行いました。
矯正治療開始
矯正治療終了
矯正終了後の状態をみるとこれで治療終了と思いますがこのあとが重要です。
重度歯周炎の矯正治療は後戻りがあるため、永久固定が必要です。永久固定とは被せ物ですべての歯固定する歯周補綴をおこないます。歯周補綴は補綴治療のなかでもかなり高い難度が要求され質の高い技工士の技術が必要です。
歯髄の神経組織を保存するために歯の形成によって歯髄が露出しないようにするために形成の際にはマージン(辺縁)の位置をセメントエナメル境より上でエナメル質に設定するように形成しています。
プロビジョナルレストレーション(治療用仮歯)で現在経過観察中です。