駐車場11台完備
みなさん、こんにちは、宇都宮市で歯科医院を開業している江俣です。
今回も、最近のインプラントのケースを紹介します。 歯周病専門医として、最初にどうすれば出来るだけ多くの歯を残せるかを考えて治療を始めますが、口腔内全体のバランスを考えた場合、歯を残すことによって患者さんの不利益になるときは抜歯と診断することもあります。「木をみて森をみず」ということでしょうか。今回はそのようなケースを紹介します。
患者様は、女性40代、上下顎の歯が グラグラで食事がほとんどできない状態で来院されました。 歯周病の検査をすると特に下顎は歯を支えている骨は、ほとんど吸収してしまっている状態でした。患者様のご希望は、「きちんと噛めるようになりたい。再治療を繰り返すようなことはしたくない。将来的にも不安がない治療を行いたい。」とうことでした。 下顎は1歯を残して全て抜歯と診断しました。患者の希望を最優先に考えると、歯を無理に残すことで治療が複雑になり、逆に治療計画が難しくなってしまい将来的にかなり大きな再治療が必要になり、抜歯と診断しました。
初診時
インプラントによって欠損部を治療したとしても、無理に残した歯が将来抜歯になると、また新たに欠損部にインプラント治療を行うことが必要になってしまいインプラント本数もどんどんと増えていきます。このようなケースは必要最低限のインプラント本数にすることが重要です。
患者はインプラント治療を希望していても、歯を抜歯し義歯(入れ歯)を作成することから始めます。理由は咬みあわせを回復し、咬合を確認することと、義歯で対応できればそれでよいのですから。上顎の義歯は違和感があるものの使用はできましたが、下顎の義歯は違和感が強くまったく使用でいない状態でした。そこで、下顎にはインプラントを埋入し、完全固定式のブリッジを作成する計画を立てました。
下顎の骨の状態は良好なので、即時荷重(インプラント埋入と同時に仮歯がはいり咬めるようになる治療)を行いました。
治療後
下顎に6本のインプラントにより固定式ブリッジになりました。ご自身の歯と同様に食事ができます。患者様も何十年ぶりに、きちんと食事もでき、審美的にも満足できると 非常に喜んでいただけました。現在上顎は義歯ですが、インプラントも考えているそうです。