駐車場11台完備
みなさん、こんにちは院長の江俣です。 先週末は紅葉を見に那須方面に出かけました。 途中に雨上がりで虹も見えました。
では歯科のお話にしましょう。 当医院に歯周病治療をご希望され、再生療法で治りますか?という質問が多いです。歯周病における再生療法は、科学的に裏づけされた根拠に基づく治療で、 現在までに数多くの臨床報告論文が発表されています。しかしすべての方に適応となるわけではなく、歯や歯肉・骨の形態などによって適応とならない場合もあります。 重要となる事は適応症となる骨の欠損形態です。適応症は、垂直性の骨欠損です。水平性の骨欠損は、適応症ではありません。 なんか難しい話で分かりずらいですね。 垂直性の骨欠損を例えて説明すると コップのような“ 穴 ”です。 水平性の骨欠損とは、平らな 浅い、お皿のようなものです。骨の吸収と言っても、骨の中に穴があいているような状況であれば、骨の中に血液が溜まる場所があります。血液が溜まることができれば、その中で骨は再生することが可能になります。 しかし、骨が水平的に吸収してしまっている場合、骨の上方へは、血液が溜まりません。そのため、歯肉が退縮している場合、再生療法を行っても歯肉が上に盛り上がってきて、骨が再生することはできません。 また骨移植を併用することより効果的であるという報告もされています。 効果が確認できるまでに半年~数年かかりその間はメンテナンスに通っていただきますが、残念ながら効果があまり認められない場合もあります。
先日再生療法をおこなった患者さんがメンテナンスのため来院しました。 35歳 女性 主訴:「歯肉が腫れ、痛みがある。全体的な治療を希望し今回は頑張っていきたいと思います。」 治療計画:歯周病治療、(セルフケア 衛生士によるスケーリングルートプレーニング 歯周外科処置 再生療法 )審美補綴治療(セラミッククラウン) 治療期間:1年4ヶ月(8月 1月は帰省されるため治療期間が延びました。)
全体的に歯周ポケットの深さが6㎜以上の歯が多数あり、パノラマエックス線写真から水平性の骨欠損 垂直的な骨欠損がみられます。
まず患者さんのセルフケア(ハブラシ指導)をおこない、前歯上下(青丸)は水平性の骨吸収のため衛生士によるスケーリングルートプレーニングで治しました。奥歯はすべて歯周外科処置をおこない、左下奥歯(赤丸)は垂直性の骨欠損があるためエムドゲインと骨移植を併用した再生療法をおこないました。
親不知以外は抜歯しませんでした。初診時と比べて左下奥歯(赤丸)の垂直性の骨欠損が再生したのがおわかりですか。