Modern Endodontics Microsurgery
保険診療での再根管治療(根の治療のやり直し)の成功率は約50%以下という報告(2005.9〜2006.12 東京医科歯科大学 根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率)があります。アメリカの歯内療法専門医が行った場合においても、再根管治療(根尖病巣がある場合)の成功率は約80%と言われております。治癒しなかった20%のうちの約90%は外科的歯内療法で治癒するという報告があります。残念ながら、100%絶対に治るという報告はありません。精密根管治療で治らなかった場合に、次の一手としておこなうのが外科的歯内療法です。具体的にはマイクロスコープを使った歯根端切除術と意図的再植術があります。マイクロスコープを使った歯根端切除術とは具体的には、根管治療で根の中の殺菌が届かなかった感染部分(主に根の先の部分)を外科的に取り除き、根管を逆側から充填します。
従来の歯根端切除術と比べ、外科科的歯内療法(マイクロサージェリー)は格段に向上しています。 従来と変わったことを以下、列挙しました。
マイクロスコープ
超音波による逆根管形成
MTAセメント
コーンビームCT
高倍率で手術をおこなうので、マイクロスコープ専用の外科器具や超音波チップ、そして術式のトレーニングが必要です。したがってマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った歯根端切除術はどこの歯科医院でもうけられる治療法ではありません。
肉眼で根の先端の汚染を観察することは非常に難しく一時的によくなっても、かならず再発します。
*歯の部位や形によっては手術ができない場合もあります。